コイル(インダクタ)と直流

コイルの直流回路図

コイル直流電圧を印加したときコイルの両端電圧 は0ですと言う意味に取れる解説をしている本を見かけることがあります。本当にコイルに直流電圧を印加するとコイルの電圧は0なんでしょうか?
少し詳しくみてみましょう。

コイルに流れる直流電流

スイッチがONした瞬間コイルに流れる直流電流は図2の様に流れます。 コイルに流れる直流電流はスイッチがONしている時間 t に比例して上昇していきます。この間コイルにはエネルギーが蓄積されます。

この動作はコイルが磁気飽和するまでつづき、磁気飽和した後、直流電流はコイルの巻線の抵抗に応じて流れます。 蓄積されたエネルギーは磁気飽和すると急速にうしなわれてしまいます。ですから正確に言うならばコイルに直流電圧を印加したとき、コイル電圧は0と言うことはありません。

コイルの磁気飽和についてはこちらを参考--->磁気飽和について

図2の傾斜の部分の電流と時間の関係は下記の公式で表されます。


コイルに流れる電流の公式
  • E: コイルに印加される直流電圧
  • L: コイルのインダクタンス
  • t: 直流電圧の印加時間

直流電流の計算

コイルを利用した部品(リレー、ソレノイドなど)を高速動作、又は吸引力を上げようとして駆動時に規格以上の電圧を印加して 動作させても思った以上に高速にならなかったり、吸引力が上がらない場合があります。これは磁気飽和になっている可能性があるからです。

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