コンデンサからエネルギーを放出させることを放電と言います。
コンデンサの放電を積極的に応用した回路にはカメラのフラッシュ、着火回路などがあげられます。
カメラのフラッシュ回路はコンデンサに蓄えたえエネルギーを一気に放電させることによって電球に大きな放電電流を流し、大きな明るさを得ています。また着火回路では巻線比の大きいトランスの一次側に、コンデンサの放電電流を流し、2次側に発生する高電圧でアーク放電を起こして火花を発生させています。
コンデンサの放電
充電されたコンデンサが放電するときどのような状態にあるか見てみましょう。
一般の電子回路ではコンデンサを充電したままにしておくと言うような使い方をするケースはほとんどありません。なんらかの形でエネルギーは
放出されます。これをコンデンサの放電と呼んでいます。
今、図3の回路でコンデンサはフル充電されており、コンデンサの端子初期電圧としてVCが発生しているものとします。
スイッチSWを閉じた瞬間、コンデンサの電圧はすべて抵抗Rに印加されます。このときの放電電流は i=V/R となります。すなわちコンデンサのエネルギーは
抵抗Rによって消費されることになります。
このときのコンデンサの端子電圧VC及び抵抗の電圧VRは下記の公式で示されます。
- VC: コンデンサの電圧
- V : コンデンサの初期電圧
- ε : 自然対数の底=2.71828・・・・・
- t : 放電時間
コンデンサに蓄積されたエネルギーが抵抗によって消費され、コンデンサの電圧VCが減少していき、その結果、放電電流も減少し最終的にコンデンサの端子電圧は
ほぼ0Vになります。この状態を放電終止と呼びます。
放電時間はコンデンサの容量と抵抗Rの大きさによって決まります。このとき、式からも理解できるように抵抗Rが小さい
ほど大きな電流が流れますが、コンデンサのエネルギー量は決まっていますから電流が流れる時間は短くなります。
上記公式で CR を時定数といいます。時定数の解説はこちらを御覧下さい→CR回路の時定数