コンデンサに直流を印加したとき、どのような現象が起きるでしょうか?。コンデンサは電気を蓄える能力を持っています。
コンデンサにエネルギーを蓄えることをコンデンサへ充電するといい、逆にエネルギーを放出させることを放電させるといいます。コンデンサのエネルギーの正体は電荷の集まりです。
電荷についてここでは詳しく説明しませんが、ちょっと荒っぽいかもしれませんが電気を持ったつぶつぶだと思って読み進めて下さい。
コンデンサの充電、放電の性質は直流回路でよくつかわれます。例えばカメラのフラッシュなどがよい例です。大きな容量のコンデンサにゆっくり充電し、一気に大電流を電球に流して、大きな明るさをえています。
コンデンサの充電
コンデンサがどのようにして電気を充電するのか直流電圧を印加したときの振る舞いをみてみましょう。
図1の回路でスイッチSWを閉じたときのコンデンサに流れる電流、電圧波形を表したものが図2です。
エネルギーが蓄えられていない(充電されていない)コンデンサにに今、スイッチSWを閉じた瞬間、コンデンサはエネルギーを溜め込もうとして短絡したと同じような状態で大電流を流します。
このときは電圧Vは全て、抵抗Rに印加されます。この瞬間に流れる電流はV/R [A] になります。そしてコンデンサは徐々にエネルギーを電荷として蓄えてゆき、充電が進行してゆきますコンデンサの端子電圧はそれにつれて上昇してゆきます。
このときのVC、VRは下記の公式で示されます
- VC: コンデンサの電圧
- V : 回路に印加される電圧
- ε : 自然対数の底=2.71828・・・・・
- t : 充電時間
電源電圧Vに対して常に V=VR + VC でなければなりませんからコンデンサの端子電圧VCが上昇すれば、当然VR下がります。その結果充電電流も流れにくくなり、最終的にコンデンサの端子電圧と電源電圧がほぼ等しい状態となった時点で充電が終了し、
コンデンサには電流が流れなくなります。この状態を充電終止と呼びます。
一旦フル充電されたコンデンサは、より高い電圧を印加しない限り、これ以上のエネルギーを蓄えることが出来ません。
コンデンサの直流回路におけるふるまいは充電が終了すると無限大の抵抗のように働きます。たとえば図1のRが0Ωでも瞬間的に電流が流れ充電が終了した後はコンデンサへ電流は流れません。
CR回路の時定数
上記公式でCR(C×R)を時定数と呼び記号 τ で表す場合もあります。これはコンデンサの充放電の重要な定数です。
コンデンサの値と抵抗の値を乗算した値は充電の場合はコンデンサの端子電圧の63.21%、放電の場合はコンデンサの端子電圧の36.78%になる電圧です。
なぜ63.21%になるかというと、CRを充電時間とみなせば -t/CR の項は -1 になります。
もう理解できたと思いますが ε-1 は 0.367879441ですから後は・・・・・・・・