コンデンサと交流

コンデンサに直流電圧を印加したときは充電終了後は無限大の抵抗のように動作しますが、交流電圧を印加したときはどうなるのでしょうか?

コンデンサ交流 コンデンサに交流電圧を印加するとコンデンサは充放電を繰り返すことになります。その結果コンデンサには交流電流が流れ続けることになります。

ですから充放電の繰り返し(交流電圧の周波数)が速いほど交流電流は多く流れます。すなわち印加される交流電圧の周波数が高いほどコンデンサの電流は流れやすくなります。

この周波数に対して抵抗回路の抵抗の様に働く定数を容量性リアクタンスと定義しています。容量性リアクタンスはXcという記号が用いられ、単位はΩです。容量性リアクタンスは下記の公式でもとめられます。

容量性リアクタンス計算式
ω:角速度=2πf
f :印加電圧の周波数
C:コンデンサの容量

容量性リアクタンスはコンデンサのインピーダンスとも呼ばれます。

容量性リアクタンスは抵抗回路の抵抗と同じように扱うことが出来ます。例えばオームの法則のI=V/R の関係は容量性リアクタンスでもなりたちます。

そのことからコンデンサに交流電圧を印加したときの電流と電圧の関係は下記のようになります。

コンデンサ交流電流計算式
ω:角速度=2πf
I :交流電流
V:印加電圧
C:コンデンサの容量

抵抗に交流電圧を印加したときは電流のピーク値と電圧のピーク値は一致しますが、コンデンサに交流電圧を印加したときは電流と電圧の位相は電流の位相が電圧の位相より90°進みます。
すなわち電流が最大値のとき電圧は0になります。

コンデンサ電流位相

コンデンサに交流電圧を印加したときのコンデンサの動作をまとめると

  • 振幅は  :I=VωC
  • 周波数は :印加電圧と同じ
  • 電流の位相は:電圧の位相より90°進む
ミニ用語集
インピーダンス
インピーダンスとは交流に対する抵抗を意味します。単位はオームの法則の抵抗と同じ Ω を用います
一般の抵抗器は交流でも直流でもほとんど同じ抵抗値ですが、コンデンサやコイルに交流を印加すると周波数によって流れる電流値が変化します。 このときの交流電流の流れを妨げる「抵抗」をインピーダンスと呼びます。コンデンサのインピーダンスは容量性リアクタンスに相当し、コイルのインピーダンスは 誘導性リアクタンスに相当します。

また、インピーダンスと言う表現は回路全体に対しても使われる場合があります。例えば入力インピーダンスとか出力インピーダンスなどのよう。

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