
非反転増幅回路
非反転増幅回路は入力信号と出力信号の極性が同じ極性になる増幅回路です。交流を入力した場合は入力信号と出力信号の位相は同位相になります
非反転増幅回路のゲインは1以上にしか設定できません。つまり反転増幅回路と違い入力信号を減衰させることは出来ません。
非反転増幅回路の入力インピーダンスは非常に高くほぼオペアンプ自体の入力インピーダンスになります(反転増幅回路の入力インピーダンスはRsになります)。
非反転増幅回路の増幅率(ゲイン)の計算は次の式を使います。

---式1
外部抵抗 Rs Rf の決め方
非反転増幅回路の外部抵抗はオペアンプの負荷にもなります。極端に低い抵抗値ではオペアンプが発熱してしまいます。
一般的に、目安として、RsとRfの直列抵抗値が10kオーム以上になるようにします。
入力抵抗に関する詳細はこちら→増幅回路の抵抗値について
直流非反転増幅回路の設計例
ゲイン101倍の直流非反転増幅回路を設計します。
- Rsぼ抵抗値を決めます。ここでは1kΩとします。
- ゲイン101、Rs 1kΩから式1を使い逆算し、Rf を求めます。
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Rc、Cfを求めます。Rc、Cf はローパスフィルタで入力信号に重畳するノイズやAC成分を除去します。出来るだけオペアンプの
入力端子に近い位置に配置します。フィルタのカットオフ周波数はノイズやAC成分の周波数(fc)の1/5~1/10で計算します。

ローパスフィルタは無くても動作しますが、非反転増幅回路の入力はインピーダンスが高く、ノイズが混入しやすいのと組み上げてから
ノイズが多く、フィルタを付加しなければならない場合が多々あります。そんな時のためにもローパスフィルタは最初から配置しておくこと
をお勧めします。回路の品質が上がることがあってもムダになることはありません。
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C1、C2は電源のバイパスコンデンサーです。一般的に0.01μ~0.1μのセラミックコンデンサーが使われます。
交流非反転増幅回路の設計例

交流非反転増幅回路
- フィルタのカットオフ周波数
- フィルタのカットオフ周波数はフィルタに入力する周波数が-3db(凡そ0.7)に減衰する周波数です。
増幅回路の入力などのフィルタのカットオフ周波数に入力周波数の最大値、又は最小値を設定するとその周波数では
減衰し、忠実な増幅が出来ません。回路の用途によっては問題になる場合もあります。最大周波数を忠実に増幅したい場合は
ローパスフィルタのカットオフ周波数を入力最大周波数の5~10倍に設定します。また最低周波数を忠実に増幅したい場合は
ハイパスフィルタのカットオフ周波数を入力最低周波数の1/5~1/10にします。